<W解説>トランプ米大統領、北朝鮮問題の解決に「努力する」=金総書記との散策写真のSNS投稿は対話再開を示唆?
<W解説>トランプ米大統領、北朝鮮問題の解決に「努力する」=金総書記との散策写真のSNS投稿は対話再開を示唆?
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は今月16日、訪問先のフランスで開かれた主要7か国首脳会議(G7サミット)の関連行事でトランプ米大統領と会い、北朝鮮問題で平和的解決を主導してほしいと要請した。トランプ氏はこれまで北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記との会談に強い意欲を示してきた。13日には自身のSNSに、2018年に金氏と会談した際の写真を投稿。米国はイランとの間で戦闘終結向けた覚書を交わすことで合意したが、トランプ氏の突然の写真投稿は、イランとの終結後には米朝対話に乗り出す可能性があることを示唆したとの見方も出ている。

米朝首脳会談は2019年以降、行われていないが、トランプ氏はかねてから金氏との4回目の会談に意欲を示している。昨年1月には米ニュース専門放送局FOXニュースのインタビューに、金氏について「私は彼と仲が良かった。彼は賢い男だ」と述べた。「金総書記とまた接触を図るのか」との記者の質問に、「そのつもりだ」と返答した。

トランプ氏は昨年10~11月に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせてアジアを歴訪。これを前に、トランプ氏は「金正恩総書記に会いたい」と語っていたことから、電撃的に米朝首脳会談を行うのではとの見方が広がった。しかし、結局、開催されることはなかった。トランプ氏は当時、日本での3日間の日程を終え、次の訪問国の韓国に向かう際、「北朝鮮とは常に良好な関係を築いてきた。いつかは会うことになるが、(今回は)日程的に非常に厳しい」と述べた。トランプ氏は今年5月には中国を訪問し、習近平国家主席と米中首脳会談を行った。この際も金氏が中国入りし、米朝首脳会談がもたれる可能性が浮上したが、行われることはなかった。

今月8日には習氏が7年ぶりに北朝鮮を訪問。金氏と中朝首脳会談を行った。会談では北朝鮮の核問題について議論されるか注目されていたが、会談後の中朝双方の発表には、非核化への言及はなかった。前回2019年の会談では、習氏は朝鮮半島の非核化で「建設的な役割を果たしたい」と表明していた。「非核化」をめぐる前回会談との扱いの違いに、韓国の通信社、聯合ニュースは、「北朝鮮が自ら『不可逆的な核保有国』と言明する中、『戦略的パートナー』である中国が北朝鮮に非核化を促す必要がなくなり、事実上、核保有を黙認・手助けする方向に回ったとの見方がある」と伝えた。また、習氏の7年ぶりの訪朝には、近年、ロシアと様々な分野で協力を拡大している北朝鮮を中国寄りに引き戻したい思惑があったものとみられる。引き戻しに成功させた先に習氏が見据えるのは、金氏との対話に意欲を示すトランプ氏に対し、北朝鮮への影響力を「カード」にし、朝鮮半島問題で主導権を握ることとの見方が出ている。

そうした中、米韓は今月11日、「核協議グループ(NCG)」の第6回会合をソウルで開き、北朝鮮の非核化目標を再確認し、こうした内容を明記した共同報道声明を発表した。これに先立ち、米国は8~9日に日本と開催した拡大抑止協議(EDD)での声明にも「北朝鮮の完全な非核化に対する意思を再確認した」との内容を盛り込んだ。これに対し、北朝鮮外務省の報道官は14日、朝鮮中央通信を通じて談話を発表。「米日韓の3か国がいくら強弁しても、核保有国としての朝鮮民主主義人民共和国の現在の地位は絶対に揺るがすことはできない」とし「誰であっても、時代の流れの中で永久に失踪した『非核化』を救い出すことはできないだろう」と強調した。北朝鮮側の主張に韓国大統領府は「朝鮮半島の非核化は国際社会の一貫した目標だ」と一蹴した。

こうした中、16日、G7サミットの関連行事に出席した韓国の李大統領は、トランプ氏と短時間言葉を交わし、「中東の戦争を解決したように、北朝鮮問題の平和的解決を主導してほしい」と要請した。これに対し、トランプ氏は問題の解決に向けて努力する意向を示したという。韓国大統領府が発表した。

トランプ氏は今月13日、自身のSNSに、シンガポールで2018年に金氏と会談した際に2人で歩く様子を撮影した写真を突然投稿した。19年以降、開かれていない米朝首脳会談が実現する可能性はあるのか。AFP通信はその可能性は低いとみる専門家の見方を伝えている。AFPによると、韓国の北韓大学院大学のヤン・ムジン前総長は取材に、北朝鮮がロシアや中国などとの関係強化を進めていることから「北朝鮮の視点からすれば、米国と会う理由は事実上、存在しない」と話した。
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