<W解説>「BTS」公演に合わせた韓国・釜山の都市プロジェクト、地域共生イベントの成功事例と評価
<W解説>「BTS」公演に合わせた韓国・釜山の都市プロジェクト、地域共生イベントの成功事例と評価
韓国の人気グループ「BTS(防弾少年団)」の公演(今月12、13日)に合わせて南部のプサン(釜山)市で開催された「BTS THE CITY ARMING-BUSAN」(以下、ザ・シティ釜山)に、20万人を超える来場があったことがわかった。同市と「BTS」の所属事務所HYBEが共催した都市プロェクトで、「BTS」の新アルバム「ARIRANG」のストーリーやメッセージを釜山の主要スポットに反映した様々な企画が展開された。韓国のニュースサイトOSENは「『ザ・シティ釜山』は、釜山ならではの魅力と価値を世界中の来場者に発信した、地域共生イベントの成功事例と評価されている」と伝えた。

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「BTS」は今年4月の韓国・コヤン(高陽)を皮切りにワールドツアーを行っており、これまで東京や北米などで公演を開催してきた。「BTS」をめぐっては、メンバー7人全員が兵役や、部隊配属に代わる任務につくため、2022年以降、グループとしての活動を休止していたが、昨年、全員が兵役を終了。3月にソウルで復帰公演を開催し、ファン待望の「完全体」での活動再開を果たした。ワールドツアーは北米、欧州、南米、アジアの34都市で計79公演を予定している。

釜山公演は2日間で約11万人を動員した。釜山はメンバーのジミン(Jimin)さん、ジョングク(Jung Kook)さんの故郷である上、メンバーたちの入隊前最後の公演となった2030釜山世界博覧会誘致支援コンサートが行われた場所でもあり、特別な意味合いを持った。360度客席に取り囲まれたステージにメンバー7人が登場すると、ファンから大歓声が起こった。公演では5枚目フルアルバム「ARIRANG」の収録曲「NORMAL」の韓国語バージョンが初披露され、反響を呼んだ。特に会場が熱気に包まれたのは公演ごとのサプライズ曲が披露されるステージで、12日は「Paldogangsan」と「Ma City」、13日は「Dimple」と「DDAENG」のパフォーマンスで盛り上げた。メンバーたちはファンに向け「皆さんがいてくれたからこそ、13年間という長い時間をうまく乗り越えられたのではないかと思う」と感謝の気持ちを伝え、「僕たちも長くARMY(BTSのファンたち)の皆さんと音楽をやっていきたい。絶対に今日を忘れない。ここだけに存在する貴重な感情を存分に感じて楽しんでいただければと思う」と呼び掛けた。

今回の公演に合わせ、釜山市はHYBEと共同で都市プロジェクト「ザ・シティ釜山」を展開した。都市全体をフェスティバルの舞台に変える大規模な企画で、釜山駅にはメディアアートウォールや複合イベントスペースが設けられた。駅前広場にはポップアップストアを開設し、地域の特産品などを販売したほか、観光スポットをPRした。白砂ビーチと高層ビル群が織りなすリゾートエリア、ヘウンデ(海雲台)には、「BTS」の5枚目フルアルバム「ARIRANG」のタイトル曲「SWIM」のメッセージ「KEEP SWIMMING」の文字が刻まれた砂像を展示。海辺の景観を生かした特別な空間演出は注目を集め、約10万人が来場したという。OSENによると「THE CITY BUSAN」のラッピングが施されたヨットツアーは700席全てが完売。参加者はBTSの音楽を聴きながら、海雲台周辺をめぐるクルーズを楽しんだという。1000機のドローンによるドローンショーも開催され、「ARIRANG」収録曲やグループのヒット曲に合わせてドローンが夜空に舞い上がり、収録曲のメッセージが美しく描き出された。

釜山市によると、「ザ・シティ釜山」は、主要プログラムの来場者だけで20万人を超えたという。OSENは「『ザ・シティ釜山』は海洋観光資源や都市インフラを有機的に結び付け、地域経済の活性化にも大きく貢献した」と指摘した。通信社の聯合ニュースによると、釜山駅、海雲台、それにドローンショーが開かれたクァンアン(広安)大橋があるクァンアンリ(広安里)の土産店の1日の平均売上高は、前年同月比136%増の約854万ウォン(約90万円)に上ったという。

釜山市は公演と連動した「ザ・シティ釜山」の効果を、今後、詳しく分析する方針だ。韓国紙の東亜日報は、「釜山が『BTS』公演をきっかけに『グローバルKポップ都市』として存在感を高めている」と指摘。同紙によると、同市のチョ・ユジャン文化局長は「世界中の若者が釜山に滞在しながら、K-POP公演はもちろん、ビューティーやファッションなど様々な韓流コンテンツを常時体験できる『釜山型Kカルチャープラットフォーム』を構築していく」と話した。
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