<W解説>米・南米歴訪終え帰国した韓国・李大統領=支持率は就任後最低、夏休み返上で課題に対処
<W解説>米・南米歴訪終え帰国した韓国・李大統領=支持率は就任後最低、夏休み返上で課題に対処
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は、7泊11日間にわたる米国と南米3か国、ドイツの歴訪を終え、今月3日、帰国した。今回の歴訪で李氏は、サンフランシスコで「AI(人工知能)サミット」を主催し、米国の大手テック企業のトップらに向け、AI時代に向けた韓国の新たなビジョンを示したほか、南米各国では首脳会談を行い、先端産業に欠かせない重要鉱物やエネルギー分野での協力強化で合意するなど、一定の成果を上げた。一方、韓国内では李氏の歴訪中、韓国総合株価指数(KOSPI)が乱高下し市場に不安が広がっているほか、国会では検察の権限を制限する刑事訴訟法改正案を与党「共に民主党」などが強行採決し、野党などから反発が広がっている。最新の世論調査で、李氏の支持率は昨年6月の就任以来、最低となった。帰国した李氏は夏休みを返上して国内の課題に向き合うことになる。

李氏は今回、米サンフランシスコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、ドイツを歴訪した。サンフランシスコで主催した「サンフランシスコAIサミット」では「サンフランシスコAI宣言」を発表。出席したエヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)やオープンAIのサム・アルトマンCEO、アンソロピックのダリオ・アモデイCEO、ブロードコムのホック・タンCEOら、米国の半導体やAI企業のトップに向け「韓国が切り開く人工知能の黄金時代の入り口で、皆様をはじめとする世界的企業の協力をお願いしたい」と呼び掛けた。韓国からはサムスン電子のイ・ジェヨン会長、SKのチェ・テウォン会長、現代自動車グループのチョン・ウィソン会長、ネイバーのイ・ヘジン議長ら国内を代表する企業のトップも出席。各社は米国のテック大手と協力推進で合意した。

李氏は米国に続いてブラジル、チリ、アルゼンチンを訪問して首脳会談を行い、重要鉱物やエネルギー分野での協力強化で合意した。ブラジルとは重要戦略鉱物に関する共同声明を発表し、チリ、アルゼンチンとはそれぞれ協力の覚書を交わした。先月31日に行われたアルゼンチンのミレイ大統領との会談では、韓国と南米4か国からなる関税同盟間の貿易協定交渉の早期再開を推進することで合意したほか、韓国企業の南米市場へのアクセスを強化することでも一致した。

最後の目的地・ドイツではフランクフルトで現地の韓国人らとの昼食懇談会に出席。李氏は「共に大韓民国の未来を切り開くため、現場で皆さんの声を直接聞き、不便に感じている部分を一つ一つ解決するため、最善を尽くしたい」と述べた。

李氏は7泊11日間の歴訪を終え、3日、帰国した。しかし、待ち受けていたのは国内の様々な課題だ。李氏の歴訪中、KOSPIは先月28~30日に10.84%、5.98%、1.23%下落した後、31日に17.91%急騰。乱高下に市場で不安が広がっている。また、31日には国会で、検察による直接捜査権限を全面的に廃止することを柱とする刑事訴訟法改正案が可決された。法案は李政権を支える与党「共に民主党」が主導した。1954年に制定されてから約70年にわたって続いてきた司法制度は大きな転機を迎えることになったが、捜査力低下への懸念が強まっており、最大野党「国民の力」は「憲政史に恥として残る稀代(きだい)の悪法だ」などと激しく反発している。

世論調査会社のリアルメーターが3日に発表した調査の結果によると、李氏の支持率は前週から0.4ポイント下がって45.9%で、同社の調査では昨年6月の就任以降、最低となった。この結果を伝えた聯合ニュースによると、リアルメーターは李氏が海外歴訪で行った首脳会談の成果は評価された一方、総合株価指数(KOSPI)の暴落や不動産対策、大統領の再選を可能とする憲法改正をめぐる論争、それに「共に民主党」による検察の補完捜査権の廃止法案の強行採決などが重なって、支持率下落が続いたと分析しているという。

李氏の帰国を伝えた聯合は、「李大統領は夏休みを返上しており、今回の歴訪のフォローアップ措置を指示するとともに、山積している国内課題に対処する見通しだ」と報じた。
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