<W解説>韓国、猛暑でプロ野球の試合が中止に=ドーム球場は1か所のみで、実施難しく(※写真は記事とは関係ありません)
<W解説>韓国、猛暑でプロ野球の試合が中止に=ドーム球場は1か所のみで、実施難しく(※写真は記事とは関係ありません)
韓国で猛暑の影響で、国内のプロ野球は今月7~9日まで全国5球場で行われる予定だった15試合が全て中止となった。韓国では今夏、記録的な暑さとなっており、今月2日には南東部のキョンサンナムド(慶尚南道)ヤンサン(梁山)で韓国の観測史上最高気温となる42.5度を記録した。熱中症患者が続出しており、死者も確認されている。プロ野球の試合でも、4日にソウル近郊のインチョン(仁川)で行われたLGツインズとSSGランダースフィールドの試合中、観客席で男性1人が突然倒れ、救急搬送された。韓国のプロ野球を組織する韓国野球委員会(KBO)と10球団は運用と設備の両面で暑さ対策を整えた上で11日からリーグ戦を再開することにしている。また、再開後は当面、試合開始時刻を午後7時に統一する。

日本の気象庁は今年4月、最高気温が40度以上の日を指す新しい気象用語として「酷暑日」の運用を正式に始めたが、韓国気象庁は今年から最高気温が39度以上か、体感温度が38度以上と予想される場合に「猛暑重大警報」を発令する運用を始めた。また、夜間については、最低気温が25度以上となることが予想される場合、「熱帯夜注意報」を発表する制度も始めた。今月4日には広い範囲で同警報が発令された。

行政安全部(部は省に相当)は2日、中央災害安全対策本部の対応を2段階引き上げ、非常態勢に突入した。イ・ジェミョン(李在明)大統領は4日の閣議で連日の猛暑について「国家災害事態とみなし、国民の生活を守るために総力を挙げて必要な措置を迅速かつ抜かりなく推進してほしい」と指示。「何よりも急がれるのは国民の命を守ることだ」とし、社会的弱者の支援策を再検討することや、屋外などで働く労働者の安全管理を徹底するよう呼び掛けた。

日本同様、韓国も温暖化が進んでおり、韓国紙の中央日報は「極限の猛暑が『ニューノーマル』になったとの分析も出ている」と指摘した。同紙は「実際、最高気温の上限が急速に上昇している」とし、1904年に韓国で近代的な気象観測が始まって以降の最高気温の推移を紹介しながら「最高気温の上限が1度上昇するまでには76年を要したが、その後はわずか8年でさらに1.5度も上昇した」と解説した。さらに同紙は「特に2020年代に入ってからは猛暑が一段と激しくなっている」と指摘。「2020年代の猛暑日数は1910年代と比べて約2.2倍に増加した。年平均気温も過去100年間(1910~2010年)で1.9度上昇したが、2020年代だけでその半分にあたる0.9度も上昇した」と解説した。

記録的な暑さの影響はスポーツ界にも影響を及ぼしている。KBOは6日、プロ野球10球団のGM、プロ野球選手会事務総長、スポーツ安全財団の関係者らが出席する中、緊急実行委員会を開催した。協議の結果、9日までの全試合を中止し、11日にリーグを再開することを決めた。韓国プロ野球では今月に入って猛暑による一部の試合中止が相次いだが、9日までは全試合の中止に踏み切った。「記録的な猛暑は簡単には収まらないだろう」との判断からという。通信社の聯合ニュースは「プロ野球は5日から9日まで『夏休み』となった」と伝えた。今回の措置により、今シーズン、猛暑の影響で中止となった試合は計30試合に増えた。

韓国のプロ野球では9か所の球場を使用しているが、ソウルにあるコチョク(高尺)スカイドームを除いた8球場が開放型球場であることから、暑さ対策には限界があり、記録的な猛暑を受けて試合を中止せざるを得ない状況だ。

韓国メディアのOSENは、この中止がリーグ戦の順位争いに影響を及ぼす可能性を指摘した。来月21日からは名古屋でアジア競技大会が開催され、同大会期間中には中止になったリーグ戦の試合の振り替え試合が行われる。リーグ戦で現在、首位のKTや、プレーオフ進出をめぐり4、5位を争っている斗山、KIAも主力選手がアジア大会に出場する。そのため、主力不在がチームに与える影響が懸念されている。

先週、ソウルなど韓国各地に発令された猛暑重大警報は7日解除され、韓国は週末、暑さは若干和らいだが、気温が平年を上回る暑い日がこの後も続く見通しだ。
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