<W解説>韓国与党の代表に就任したキム・ミンソク氏が最初に向き合う課題
<W解説>韓国与党の代表に就任したキム・ミンソク氏が最初に向き合う課題
韓国の革新系与党「共に民主党」は今月17日、新代表にキム・ミンソク(金民錫)前首相を選出した。昨年6月にイ・ジェミョン(李在明)政権が発足してから首相として李大統領を支えた金氏が勝利したことは政権運営への後押しになりそうだ。一方、代表選は李氏に近い金氏と、李氏と対立するチョン・チョンレ(鄭清来)前党代表による事実上の一騎打ちとなり、代表選の過程で両陣営は非難合戦を繰り広げた。現在、党内は分裂しており、通信社の聯合ニュースは「党大会で浮き彫りになった党内の分裂をどうまとめるかが焦点になりそうだ」と伝えた。

金氏はソウル市出身の62歳。ソウル大学在学中には全国学生総連合の議長を務めるなど、学生運動に身を投じた。民主化運動を率いた人物で、投獄経験もある。国会議員に初当選したのは1996年で、キム・デジュン(金大中)元大統領の側近としてキャリアを積んだ。25年ほど前には、米ニューズウィーク誌で「21世紀のリーダー100人」に選ばれ、将来の大統領候補とも言われた。議員辞職や浪人生活を経て2020年の国会議員選挙で18年ぶりに返り咲き、現在、4期目。李在明氏が立候補した2022年と昨年に行われた大統領選挙では、李氏の選対幹部を務めた。

また、河野太郎元外相ら日本の政治家と長年交流があり、今年6月に河野氏の父の河野洋平元衆院議長が死去した際には、SNSで「(慰安婦問題で)謝罪の意を表明し、『歴史を認め、未来へ進む』という原則を示した類まれな政治家だった」と追悼した。

昨年7月には首相に就任。その際の記者会見で日韓関係について触れ「多くの曲折があったが、一貫して良好な関係を維持してきた」とし、両国間の対話を重視する姿勢を示した。しかし、過去には日本に対し、厳しい発言をしたこともある。ムン・ジェイン(文在寅)政権で、日本による半導体素材の輸出規制措置に対抗して韓国政府が設置した「日本経済侵略対策特別委員会」の副委員長を務めた当時、「安倍(晋三)政権が経済戦争を中断し、歴史問題について謝罪しなければ東京五輪をボイコットすることになるだろう」と主張した。

金氏は党側から李政権を支えるために首相を退き、代表選に臨んだ。李氏と対立する鄭前代表との事実上の一騎打ちとなり、鄭氏が勝利すれば、李氏の求心力にも影響が出かねないとみられていた。

代表選は党内投票を7割、一般国民への世論調査を3割の割合で合算する方式で行われた。結果、金氏が54.08%を得票し、45.92を得票した鄭氏を制した。金氏は当選後の演説で「党は李大統領と政府の成功のために尽力する。その成功が国民の成功だからだ」と強調した。「民主党を変える」とも宣言し、暮らしの問題を重視する政治、すそ野を広げる政治、有能な政治を行っていくとした。

韓国紙のハンギョレは「金民錫代表は、党の和合、そして李在明政権の2年目の国政運営を支えるという難題を抱えることになった」と指摘した。代表選の過程で金氏は対立候補の鄭氏と激しい舌戦を展開した。両陣営が対立し、代表選が終わった今、党内は分裂状態となっている。党内をどうまとめていくかが最初の課題となりうそうで、そのため、党内からは、金氏は公平な人事を行うべきだとの声が上がっているという。ハンギョレは「下落傾向にある政権2年目の李在明政権の支持率を上げることも重要な課題だ」と指摘した。李政権の支持率は最近、各種の世論調査で李氏の昨年6月の大統領就任以来、最低を記録している。ハンギョレは「他の年齢層と比べて明らかに現政権に冷淡な20~30代の心を動かすのも簡単ではない」とし、「これらの世代の支持率を上げなければ、来年4月に行われる可能性のあるソウル市長補欠選挙と、2028年の総選挙での勝利は楽観できない」と指摘した。

代表の任期は2年。金氏の手腕が試される。
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