トランプ氏はかねてから金氏との4回目の会談に意欲を示している。昨年1月には米ニュース専門放送局FOXニュースのインタビューに、金氏について「私は彼と仲が良かった。彼は賢い男だ」と述べた。「金総書記とまた接触を図るのか」との記者の質問に、「そのつもりだ」と返答した。
トランプ氏は昨年10~11月に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせてアジアを歴訪。これを前に、トランプ氏は「金正恩総書記に会いたい」と語っていたことから、電撃的に米朝首脳会談を行うのではとの見方が広がった。しかし、結局、開催されることはなかった。トランプ氏は当時、日本での3日間の日程を終え、次の訪問国の韓国に向かう際、「北朝鮮とは常に良好な関係を築いてきた。いつかは会うことになるが、(今回は)日程的に非常に厳しい」と述べた。トランプ氏は今年5月には中国を訪問し、習近平国家主席と米中首脳会談を行った。この際も金氏が中国入りし、米朝首脳会談が設定される可能性が浮上したが、行われることはなかった。
韓国は米朝の早期の対話再開を望んでおり、今年6月、主要7か国首脳会議(G7サミット)の関連行事に出席した韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は、トランプ氏と短時間言葉を交わし、「中東の戦争を解決したように、北朝鮮問題の平和的解決を主導してほしい」と要請した。これに対し、トランプ氏は問題の解決に向けて努力する意向を示したとされる。
トランプ氏は今月17日、ホワイトハウスで記者団に対し、金氏が米側による対話の働きかけに対して前向きな反応を示したと主張した。翌18日、米紙ウォールストリート・ジャーナルはトランプ氏が金氏との会談をこの秋にも実現させるよう側近らに働きかけていると報じた。同紙によると、当局はトランプ氏が次にアジアを訪問する際に会談を設定することを非公式に協議しているという。現時点で公式な計画は進んでいないが、11月に中国の深センで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせたアジア歴訪の期間中に会談が設定される可能性がある。そして19日、トランプ氏は記者団からの「金総書記と今年後半に会談するか」との質問に、「その予定だ」と語った。
トランプ氏が金氏との対話再開に再び意欲を示し始めたのはなぜなのか。ウォールストリート・ジャーナルは、イラン戦争での勝利が依然として不透明の中、北朝鮮との首脳外交を自らの代表的な外交成果にしようとしているとの見方を伝えた。
同紙の報道に、韓国外交部(外務省に相当)のチョ・ヒョン長官(外相)は19日、「新たな局面の転換だと考えている」との認識を示し、「政府は北との対話の糸口を探るため万全の準備をしてきた。今回の機会を逃さないよう、米側と緊密に協議を進めていきたい」と述べた。
金氏が会談に応じる可能性はあるのか。北朝鮮は近年、ロシアや中国との関係を強化しており、すぐにでも米朝首脳会談を実施する必要が特段見当たらないとの見方もできる。韓国紙の中央日報によると、韓国統一研究院のオ・ギョンソプ先任研究委員は同紙の取材に、「北朝鮮が中ロとの密着を通じて軍事的・経済的弱点を補完している。全方位による制裁で圧力を受けた第1次トランプ政権当時より米国と関係改善に出るべき切迫さが減った」と指摘した。一方、同紙は「金委員長(総書記)が電撃的にトランプ大統領との会談を選択する可能性も排除することはできない」と指摘。「トランプ大統領との関係性を活用して米国の圧力を管理し、自身の価値を高めることができるためだ」と解説した。
北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金氏の妹のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党総務部長は19日、会談の実現に向けて動きがあることについて「私が全く知らないことだ」などと一蹴した。
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