<W解説>支持率下落が続く韓国・李大統領、有権者の不評を買っている2つの政策
<W解説>支持率下落が続く韓国・李大統領、有権者の不評を買っている2つの政策
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領の支持率が、世論調査会社・機関の各調査で下落が続いている。韓国ギャラップが今月28日に発表した結果によると、李氏の支持率は42%で、昨年6月の就任後最低を更新した。不支持の理由には、不動産政策や検察の権限縮小、経済対策の不足などが挙がっている。支持率が38.9%と初の30%台となった調査結果も出ている。こうした状況に、伝統的な与党支持層に影響力を持つ著名なユーチューバーや作家らも苦言を呈している。

李氏は昨年6月に大統領に就任してから高い支持率を維持し、安定した政権運営を進めてきた。4月時点でも67%を記録していた。6月の統一地方選では李氏の高い支持率もあって、政権を支える革新系与党「共に民主党」が大勝した。しかし、この選挙において一部の投票所で投票用紙が不足する事態となり、この問題が政局混乱へと拡大。物価高など国民の経済的負担が増していることへの有権者の不満も重なって、その後、支持率の下落傾向が鮮明になった。

韓国ギャラップが今月14日に発表した調査結果では、李氏の支持率は44%で、就任後初めて否定的な評価(46%)が肯定的な評価を上回った。さらに同社が28日に発表した結果によると、李氏の支持率はさらに下がって42%となり、就任後最低を更新した。

李氏を支持しない理由として最も多かったのは「不動産政策」(27%)だ。李政権は今月、ソウル首都圏で高騰が続く不動産価格を抑えるため、超高額の住宅などへの課税強化を盛り込んだ不動産税制改正案を発表。しかし、この政策案に不動産所有者らが反発するなど有権者の受け止めは芳しくない。

不支持の理由として2番目に多かったのは「検察の権限縮小」「経済・国民生活」「道徳性問題、李氏本人の裁判回避」(いずれも7%)だった。先月、国会では検察官による直接捜査の権限を廃止し、警察に捜査権を全面的に与える改正刑事訴訟法が、与党「共に民主党」の強行採決により成立した。だが、国内で最近、警察のずさんな捜査が相次ぐ事態となっており、改正同法により、警察の捜査権の独占と肥大化への懸念が高まっている。

支持率低下が続いていることに、国内の左派系の著名な論客からも苦言が出ている。ユーチューバーのキム・オジュン氏は自身のユーチューブ・チャンネルで、支持率の下落が続く李氏について「政治人生において初めての類の試練だ」と指摘した。左派系のジャーナリストとして知られるキム氏は1998年にインターネットメディアの「タンジ日報」を開設し、ネットにおける政治論客として名をはせた人物だ。2016年9月から2022年12月までは、自身の名前を冠したラジオ番組「キム・オジュンのニュース工場」の司会を務め人気を博した。キム氏は李氏の支持率が続いていることに「なぜこのようなことが起きたのか、振り返るしかない」と述べた。

また、作家で左派系の政治評論家としても知られるユ・シミン氏はこのほど出演したユーチューブ番組で「今の李在明大統領の姿は権力者の姿だ。それも非常に傲慢(ごうまん)な権力者だ。意思疎通し、交感し、共感を形成する形で(国政運営を)行っていない」と批判した。

一方、李氏に近い議員たちは両氏の指摘や批判に反論した。「共に民主党」のイ・ヘシク議員は24日、キム氏が「大統領の支持率が30%台半ばに落ちた後に盛り返すことができたのは、ムン・ジェイン(文在寅)政権だけ」との趣旨の発言をしたことについて、「うそだ。キム・ヨンサム(金泳三)、キム・デジュン(金大中)、パク・クネ(朴槿恵)政権でも盛り返した」と述べた。同党のパク・ソンウォン最高委員は同日、ユ氏が李氏を批判したことについて「評論ではなく、感情をさらけ出しているようだ」と批判した。

一方、大統領府は支持率下落が続いていることに危機感を持っているものとみられる。ある大統領府の関係者は最近の世論調査の結果について「民生と経済を最優先にし、国民の生活が改善され、これを実感していただけるよう、国政運営全般を詳しく調べ、実質的な成果のために最善を尽くしたい」とコメントした。

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