草間さんは長野県松本市生まれ。幼少期から幻覚に悩まされるも、不安や恐怖を創作のエネルギーに転化し、網目模様の絵画や無数の突起のついた立体作品を制作した。1957年に28歳で単身渡米。ニューヨークを拠点に創作活動を本格化させた。73年に帰国後は数多くの個展を開き、かぼちゃの絵画や立体作品、ミラールームなどの数々の作品が国内外で高い評価を受けた。美術のみならず、パフォーマンス、小説、詩など多方面における前衛芸術家として活動し、2016年には文化勲章を受章した。
草間さんは先月14日、多臓器不全のため、東京都内の病院で死去した。97歳だった。
草間さんの作品は韓国でも展示されており、同国内でも高い人気を誇る。仁川にあるパラダイスホテルのエントランスには草間さんのかぼちゃのオブジェが2017年のオープン時から飾られている。南部・チェジュ(済州)のポンテ(本熊)博物館でも草間さんの作品を鑑賞することができる。2021年11月には、草間さんの作品「南瓜」の絵画が、ソウルで開かれたオークションで54億5000万ウォンで落札され注目を集めた。「南瓜」の絵画の落札を当時報じた韓国紙・ソウル経済は、草間さんが韓国の美術競売市場をけん引する一人と紹介。草間氏の作品が世界的に人気を集めている理由について同紙は「単一の色合いで画面全体を覆うモノクロームはかつて西欧画壇で主流となったが、日本の芸術家である草間は、これを独自の反復パターンを利用した一種の抽象表現主義として広げ、東西洋全体に等しく共感を得たと評価されている」と解説していた。草間さんの作品は、韓国の富裕層にコレクターも多く、同年10月には大手オンライン予備校の人気講師が、草間さんの作品「Gold Sky Nets」を36億5000万ウォンで落札し話題となった。今年3月にあったソウルでのオークションでは、15年作の「カボチャ(MBOK)」がオークション開始価格の95億ウォンを上回り、104億5000万ウォンで落札された。
草間さんの訃報は韓国を含む海外メディアも大々的に報道した。「『黄色いかぼちゃ』と『水玉模様』のフィナーレ」(スターデイリーニュース)、「『水玉』が伝えた希望、草間彌生、無限の星になる」(ヘラルド経済)などといった見出しで伝えた。また、韓国経済新聞は草間さんの作品の人気ぶりについて「世界のどの美術館に行っても観客が列をつくった」と紹介した。朝鮮日報のキム・テフン論説委員は先月31日に掲載のコラムで、「大小さまざまな水玉模様で有名な草間彌生さんの作品世界が強迫性障害から始まったという事実はよく知られている」と書き出し、「草間さんはこの強迫観念を自らの芸術の源泉とした。不安から逃げずに立ち向かう『草間彌生の世界』の始まりだった。瀬戸内海の直島、仁川のパラダイスシティホテルや済州島の本熊博物館に展示されている黄色や赤のかぼちゃの彫刻と、そこに描かれた大小無数の水玉は、すべて草間さんが内面の恐怖と闘い抜いた記録である」と解説した。その上で、「『私はこの世界のもう一つの点に過ぎない』『人間の苦痛を永遠のハーモニーにしたかった』と語っていた草間さんが永眠した。誰もが弱点を抱えて生きる世の中のすべての『点』たちに勇気を与えて旅立っていった」と悼んだ。
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