<W解説>ソウル安保対話、小泉防衛相は出席見送り=関係者「公務の都合」と説明も、韓国メディアは別の見方
<W解説>ソウル安保対話、小泉防衛相は出席見送り=関係者「公務の都合」と説明も、韓国メディアは別の見方
韓国国防部(部は省に相当)が本日7日から開催する国防次官級の多国間会議「ソウル・ディフェンス・ダイアローグ」(ソウル安保対話)に、小泉進次郎防衛相が出席を見送ることになった。日本メディアの報道によると、見送りの理由について、同省関係者は「他の公務の都合などもあり、総合的に判断した」としている。しかし、韓国紙の中央日報は「最近、韓日国防当局の間に生じている冷却ムードと無関係ではないとの見方が出ている」と指摘。「特に先月の小泉防衛相による靖国神社参拝が主な原因として挙げられている」と伝えた。

同会議は韓国国防部主催によるもので、昨年は当時の中谷元防衛相が出席。核やミサイルの開発を続ける北朝鮮への対応や、日韓及び日米韓の安全保障協力について協議した。中谷氏の訪韓は日本の防衛大臣として10年ぶりで、国防部のアン・ギュベク長官との日韓防衛相会談では、日韓国交正常化60周年となった年に防衛相の訪韓が実現したことを喜んだ。両氏は会談で、日韓防衛相間の相互訪問や防衛交流を活性化させることで合意した。また、中谷氏は朝鮮戦争で戦った兵士らが埋葬されている国立ソウル顕忠院を参拝したほか、在韓米軍司令官との懇談、韓国海軍第2艦隊司令部の視察もした。

その後、日本では高市早苗内閣が発足し、小泉氏が防衛相に就任した。こうした中、韓国軍機が島根県の竹島上空で飛行訓練を行ったことを受け、昨年11月、自衛隊基地で初めて予定されていた韓国空軍機への給油支援が中止に。防衛交流に暗雲が立ち込めた。給油支援対象となっていたのは、韓国空軍の特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」で、同チームは当初、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催される航空ショーへの参加を計画しており、その際、航空自衛隊那覇基地(沖縄県)に立ち寄って給油を受ける予定だった。自衛隊は米国や豪州など各国との間で物資や役務を融通し合うための「物品役務相互提供協定(ACSA)」を結んでいるが、韓国とは締結していない。一方、自衛隊法116条1項は、自衛隊の任務に支障が生じない範囲で燃料を無償貸し付けできると定めており、自衛隊は、韓国軍からの給油支援要請を受けて、この規定を基に給油実施に向け準備を進めていた。

その後、韓国軍は、東京の日本武道館で開かれた「自衛隊音楽まつり」への軍楽隊の参加や、海自との捜索・救難共同訓練の開催を見送り、日韓の防衛交流は一時期停滞することとなった。しかし、今年1月、高市首相とイ・ジェミョン(李在明)大統領が首脳会談を行い、日米韓の安全保障協力の重要性を確認したことで、交流が再開する流れができた。

小泉氏とアン氏は1月、神奈川県横須賀市の海上自衛隊横須賀基地で会談した。日韓両国の相互訪問などを通じて意思疎通を強化し、防衛協力を安定的に推進していくことで一致した。また、同月には、韓国空軍の「ブラックイーグルス」がサウジアラビアに向かう途中、航空自衛隊那覇基地に寄港し、給油支援を受けた。前述のように、昨年11月には中止となったが、初めて行われた。給油支援の後、両部隊のパイロットらが交流し、記念撮影も行った。

6月には小泉氏が訪韓し、アン氏と会談した。小泉氏は当時、記者団に対し、「前例のないペースで会談を重ねている事実こそが、今までにない日韓の良好な関係と、防衛協力・交流の取り組みの積み重ねの証しだ。今後も、意思疎通と努力を強化していきたい」と語った。

本日7日から、ソウルでは国防部主催の国防次官級の多国間会議「ソウル・ディフェンス・ダイアローグ」が開かれるが、小泉氏は当初、出席の意向を周囲に示していたものの、見送ることにした。報道によると、防衛省幹部は「日程など総合的な判断」で見送ったと説明している。

小泉氏の出席見送りに、韓国の通信社、聯合ニュースは「両国の国防当局間にすきま風が吹き始めたためとの見方が出ている」と報じた。終戦記念日の先月15日、小泉氏は靖国神社を参拝。韓国国防部は抗議した。韓国政府は現職の防衛相による靖国参拝を、他の閣僚による参拝よりも重大なものとして受け止めているとされる。小泉氏の参拝に、当時、日本メディアからも「首脳間のシャトル外交で改善してきた日韓関係などに波及しそうだ」(毎日新聞)などと影響を懸念する記事が出ていた。

一方、「ソウル・ディフェンス・ダイアローグ」には、これまで防衛審議官が出席することが多かった。前述のように、昨年は防衛相が出席したが、今年は再び審議官が出席する。
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