秋夕はソルラル(旧正月)と並ぶ韓国の代表的な名節で、親戚一同が故郷に集まって先祖の墓参りをしたり、食事をしたりするのが一般的な過ごし方だ。また、秋夕の朝には、先祖の霊を迎え入れるための祭礼「チャレ(茶礼)」が行われ、祭壇には野菜のナムルや肉、魚などたくさんの食べ物が供えられる。「民族大移動」と言われる大規模な帰省ラッシュで高速道路の大渋滞や、人でごった返すソウル駅の光景はおなじみだ。
イ・ジェミョン(李在明)大統領夫妻は秋夕の25日、国民らに向けてメッセージ動画を公開した。「前例のない猛暑でひときわ厳しかった夏が過ぎ、秋夕を迎えた」とした上で、李氏は「国民一人一人の暮らしに明るい光が差し込むよう、さらに力を尽くしていく」とした。キム・ヘギョン(金恵景)夫人は「慕わしい人に元気でいることを伝え、愛する人と幸せを分かち合う名節を過ごされることを願う」と伝えた。
昨年は10月6日が秋夕で、祝日の開天節(建国記念日)の10月3日から連休が続き、有給休暇を1日取得するだけで最大10日間の大型連休にすることができた。しかし、今年は最長4連休と昨年に比べて短くなった。
そのため、連休中の海外旅行は近距離が人気を集めた。通信社の聯合ニュースが24日に配信した記事によると、旅行予約サービス「ノルユニバース」が9月24日から27日までの国際線の予約状況を分析したところ、予約全体の84%が日本や東南アジア、中国、台湾など近隣だった。予約が最も多かったのは日本で、海外旅行予約の52.5%を占め、昨年の秋夕の連休よりも10.3ポイント増加した。韓国メディアのヘラルド経済は25日、「旅行会社『ノランプンソン』によると、北海道や九州だけでなく、比較的知名度の低い地方都市を訪れる需要も増えているという」と伝えた。
また、メディアの亜洲日報は秋夕前に掲載の記事で「一人旅行を準備する人も増えている」とし、「海外ホテルの検索データの中で、一人旅行客の比率は昨年に比べて6ポイント以上増加した」と伝えた。
一方、家族や親戚が故郷に集まり、祭礼を執り行うといった伝統的な秋夕の文化は薄れてきているようだ。韓国メディアのマネートゥデイによると、チョンブク(全北)大学社会学科のソル・ドンフン教授は取材に「新型コロナを境に祭祀の文化が大きく減り、親戚と会う動機も薄れた。核家族の中で育った若い世代ほど家族の範囲を狭く捉えるため、こうした傾向はさらに強まるだろう」と話した。
調査会社の韓国リサーチが9月4~7日に全国の18歳以上の男女1000人を対象に実施した調査によると、秋夕の連休に離れて暮らす家族と会う予定と答えた人は63%で、昨年の秋夕の連休に同様の質問した時よりも5ポイント、今年の旧正月の連休の時よりも7ポイント低下した。
最近は若い世代を中心に秋夕の連休を1人で過ごす人も多い。韓国社会では近年、「おひとりさま」のライフスタイルが広がっている。食事を例にとっても、韓国ではかつて、みんなでにぎやかに楽しむスタイルが一般的だった。しかし、近年、1人で食事をすることを好む「ホンパブ族(ホン=ひとり、パブ=ご飯)」が急増している。食事のみならず1人で何かをすることを好む人たちを指す「ホンジョク(一人族)」という造語まで生まれた。派生行為として、前述の「ホンパブ」のほか「ホンスル(一人酒)」「ホンノル(一人旅)」などがある。
ソウル観光財団の「VISIT SEOUL」NET」は、2020年から「1人で秋夕を過ごす方法」と題した記事を掲載。「連休の間、家族も友達も、行き場もないおひとり様はどうすればいいのでしょうか。おひとり様代表の5人のエディターがそれぞれ秋夕の過ごし方を紹介します」とし、5つのタイプ別に提案している。
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