韓国産業通商部(部は省に相当)の発表によると、8月の韓国の輸出額は982億5000万ドルで、前年同月比68.7%増加した。15か月連続で増加しており、月間ベースでは3か月連続で900億ドルを超えている。この要因について経済紙の亜洲日報は「半導体の輸出額が前年同月の2倍以上に急増したことが最大の要因だ」と指摘。「先月の半導体輸出は466億5000万ドルと、前年同月比209.0%急増した。3か月連続で400億ドルを上回り、過去最大の輸出額を更新した。グーグルやアマゾンなど、ハイパースケーラーの設備投資拡大により、AIインフラ需要が堅調に持続する中、メモリー固定価格も上昇基調を示したことが大きく影響している」と解説した。今年の半導体の輸出額は2月に251億ドル、3月に328億ドル、5月に372億ドル、6月に448億ドルを記録するなど、その勢いは顕著だ。産業通商部のキム・ジョングァン長官は「半導体の輸出好調が続く中、半導体以外の品目の輸出も20%の高い増加率を記録しており、韓国の輸出基盤が拡大している点は明るい材料だ」と評価した。
世界貿易機関(WTO)の1~4月の集計によると、韓国は輸出順位が中国、米国、ドイツ、オランダに続く5位となり、日本を抜いた。
韓国政府は昨年8月「新政府の経済成長戦略」を発表した。経済の低成長から脱却するために、先進国をベンチマークとする従来の「追撃経済」から、世界をリードする「先導経済」に転換する必要があるとし、「AI(人工知能)3大強国」「潜在成長率3%」「国力世界5強」をビジョンに掲げた。
今年6月には韓国を米中に並ぶ「AI 3大強国」にすべく、半導体、フィジカルAI、AIデータセンターを次世代の成長エンジンに位置付ける「3大メガプロジェクト」を発表。公共と民間の資源を結集し、この3分野に少なくとも1800兆ウォンを投じる計画を推進中だ。
李大統領は今年7月に大統領府で主宰した国務会議で「今年が潜在成長率3%、世界貿易4強、国民所得5万ドルという代替不可の大韓民国に飛躍する元年として記憶されるように力を合わせてほしい」と呼び掛けた。
前述のように韓国の輸出は8月まで3か月連続で900億ドルを超えており、今年残りの各月平均が800億ドル以上となれば年間輸出額1兆ドル達成も実現する。
国内の期待は高まっており、李氏も2日、「韓国輸出1兆ドル秒読み…残り期間の輸出額目標は?」との見出しの記事を引用しながら自身のXに「昨年の(大統領)就任当時と比較すると桑田碧海だ」と投稿した。「桑田碧海」とは「世の中の移り変わりが激しいこと」「昔と今の状況が全く異なること」をいう。日本ではあまり使われない四字熟語だが、韓国ではしばしば用いられる。李氏は昨年に比べ大きく状況が好転していることに「全て現場の経営者、労働者、公職者が同じ気持ちと同じ考えで全力疾走した結果だ」と現場の実務者たちを労った。一方、李氏は「しかし、まだ進む道は長い。潜在成長率3%復帰、国民所得5万ドルまでにはもうしばらく走らなければならない」とした。
李氏がこう気を引き締めるように、世界的なAI競争が本格化する中、高性能半導体の需要の増加で韓国は受益国の一つになっている一方、その恩恵を一部の企業や階層が独占し、今後、二極化が深刻化するとの懸念も出ている。自営業者の廃業が急増しているほか、若者の雇用率は22か月連続で低下している。
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