バリの東海岸から約1時間、離島のひとつレンボガン。
ここでぜひ体験しておきたいのが、マングローブの森を巡るツアーです。
複雑に木々の根が密集して絡み合っている上、海底は泥。
歩くことは困難ですが、小舟に乗って森の中を散策することができます。




マングローブとは、マレー語の「mangi mangi (マンギ マンギ、海岸部の樹木の総称)」と英語の「grove (グローブ、小さい森)」が合わさった造語。
亜熱帯の沿岸で、波浪の影響が比較的弱く泥が溜まりやすい場所に広がる干潟で、樹木が密生しています。
干潮時には根があらわになり、満潮時には木の葉まで海水に浸かります。
その環境に対応して、根や幹、枝の広がりは独特の空間を創り出し、その中に多種多様な生物が生息しています。
船頭さんに聞くと、ヘビなどはおらず、小さな生物がたくさんいるそうです。




森に入ると空気が一転し、透き通るような静寂の中に鈴の音のような生物の奏でる音が響き渡ります。
話す声も木々に吸収されるよう。
木漏れ日でキラキラする水面をそっとのぞくと、小さな魚たちの生活が垣間見えます。




海へ出て振り返ると景色は一転して、森はこんもりとまるい緑のかたまりで、枝や根に囲まれていたほんの少し前までが夢だったかと思うほどです。




このマングローブの森は、地球環境に大きな役割を果たしているということで、近年世界的に注目されています。
大気中の二酸化炭素を吸収するなど地球温暖化防止、海の水質浄化、海岸線の浸食防止、津波や高波などの災害軽減、生態系の維持など、マングローブの森が地球にもたらす効果は計り知れません。




世界有数のマングローブ林を有するインドネシアですが、ここ数十年、住宅用地や工業用地、エビなどの水産養殖などで減少傾向にあり、ここバリ島でもマングローブ林も伐採されて埋め立てられ、高速道路や水産倉庫、住宅地に転換されています。




マングローブの価値が見直される昨今、肌でこの森を感じてみるのはいかが。
忘れられない体験となることでしょう。


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