ごつごつとした石畳の道は、その町の歴史や情緒を感じさせてくれます。
そんな石畳の道の工事現場に遭遇すると、石(パヴェ)にはしっかりとした深さがあり、1つ1つがなかなかの重さがありそうだということがうかがえます。
そして掘り起こされた石が、傍らにゴロリと転がされているということは、工事後再びこれらを埋め込み直す作業が待っているのでしょう。
アスファルトやコンクリート、土なら掘り起こしと工事後の埋め直しはある程度ダイナミックな機械の作業がメインになるでしょうが、石の場合どうやらそうはいかないようです。
掘り起こしの際は石を傷つけないように気をつけ、埋め直しの際には1個ずつ揃える必要があるでしょう。
長い時間の中で摩耗していくとはいえ、再利用できる点は石の長所でしょう。




しかし、こんな工事の際には石畳の専門知識がある人と専用機材、そして結構な作業時間を見込むに違いありません。
 因みに道にしかれている石畳には「ダル」(dalle)や「パヴェ」(apvé)といった単語を聞きます。
ダルは表面積が広く薄めの石、パヴェは写真のように表面積が小さく深さがあるもの、と大まかに区別しているとか。




 その昔は馬車が通り、アパートの上階の窓から降ってくる生活排水を受け止めていた石畳。
ここブルゴーニュの街ボーヌの中心街のそれは表面が真っ平に研磨されていない為自転車の人泣かせですし、場所によりできている石の間の細い溝にヒールがはさまるリスクあり(これはどうやら補正工事が決まった模様)といった不便さがあります。
しかし、この街の風景を何世紀もの間作ってきた石畳は、これからも残っていってほしいと願う人は少なからずいるはずです。


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