
フィレンツェの町の中心にあるシニョリーア広場には、興味深い2つのものが存在しています。
ひとつは、1498年にこの場所で火刑となった聖職者サヴォナローラの碑文です。
ルネサンス時代に大輪の花を咲かせたフィレンツェの町は、フランス王やスペイン王の侵略の舞台となり、フィレンツェも衰退の時期を迎えました。
フィレンツェ共和国のリーダーとなったサヴォナローラは、神権政治を施行。
多くの市民の支持を得ましたが、ボルジア家出身の教皇アレクサンデル6世と対立し、最後は市民の憎悪の的になり処刑されました。
その死を悼んだ一部の市民によって、碑文が残されたのです。

もうひとつは、イギリス人彫刻家トーマス・J・プライスによる「Time Unfolding」という作品。
2025年になって設置されたこの彫刻、広場の主役であるヴェッキオ宮殿に背を向けてスマホを持つ姿で表現されています。
まさに現代の若者の姿を映した作品ですが、スマホの画面を通してではなく、自分の目で本物を鑑賞しようという意図も感じられます。
ルネサンス時代の広場とモダンアート、不釣り合いにように見えてバランスが良く、この彫刻の写真を撮る観光客も多数いました。
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