ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方にあるディジョンの隣町、タラン(Talant)。
キール湖を見下ろす斜面の一角にはぶどう畑があります。
栽培されている品種はシャルドネ。
白ワイン用の品種です。
タランで収穫されたシャルドネは、主にクレマン・ド・ブルゴーニュという上質な発泡ワインとなってアペリティフやデザート前の時間を演出してくれます。

 ぶどう畑を歩いていると、いくつかの列の端に銀色のプレートがかけられているのが見つかります。
それはぶどう樹の枝が「穂木」として使われていることを示すものです。
穂木として使われるにはしかるべき機関から承認を得る必要があり、それぞれにIDナンバーが付けられているというわけです。

 その昔、フランスをはじめ世界各地のワイン向けのぶどう樹は「フィロキセラ」というアブラムシの一種の害虫による甚大な被害を受けました。
木の根に寄生して枯らせてしまう、このワイン好きたちの大敵に対抗するため、「接ぎ木」を試みました。

 フィロキセラに強い品種の台木に実をならせる品種の穂木を1本1本接続させるという作業で台木と穂木の間に血が通い、成長し、実を結ぶ…。
そう考えると自然の偉大さを感じずにはいられないでしょう。
そんな穂木がこの小さな町からも生み出されています。
 自然の恵みと専門家たちの飽くなき挑戦に乾杯。

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