バリ人は、成人する際に歯を削ります。
だいたい16歳から20歳くらいになったら、家族親族・村人など同じくらいの年頃の男女数人一緒に行われます。
会場は、日本で言うと「本家」のような家の敷地です。
伝統的な本家には祈祷専用の棟が建てられており、家族や村の行事はそこを祭壇にして行われます。
「ポトンギギ」も、家族親族・村人が総出で行う盛大な行事です。
成人を祝われる青年男女は、早朝暗いうちからヘアメイクや着付けを行って華やかな伝統衣装で儀式にのぞみます。
昔は割としっかり前歯を削ってまっすぐ整えていたようですが、最近は少しだけ形式的に削るそうです。
儀式には新成人の家族親族はもちろん、親しい友人なども招かれます。
招かれる際には必ずバリ式の正装をしていかなくてはなりません。
外国人の場合は「サロン」と呼ばれる腰巻布を巻くだけの簡易バージョンで許される場合もあります。
儀式に招かれた際は、入り口でまず菓子折を受け取ります。
菓子折には小さなバリ式の餅や煎餅などが入っており、会場に入るとそれを食べながらなんとなく待ちます。
「ポトンギギ」は通常、朝7時には始まるので、朝食替わりといったところでしょうか。
そうこうしていると着飾った新成人が緊張した面持ちで登場、順番に祭壇に上がって歯を削ってもらいます。
全員が終了すると食事タイムです。
バリ人のこうした祝いのご馳走はビュッフェスタイル。
ずらりと並んだバリ料理をそれぞれ皿に盛り、思い思いの場所に座って食べます。
それを食べ終わったらだいたい終了。
特に司会や号令はありません。
祝いに集まる人々はなんとなく集まって来て、なんとなく帰るといった感じで、いつ始まっていつ終わったのかよく分からないですが、とにかく大切なのは3点。
まず1つ目は、正装をすること。
2つ目は、開始時間には集合すること。
3つ目は、主催家族が用意した食事を食べる事。
「朝食、食べてきちゃったから遠慮する」なんてことは許されませんので、行事に招かれた日は何も食べずに空腹でのぞむことが大事です。
「ポトンギギ」は縁起の良い日を選んで行われます。
この縁起の良い日は葬式にも良い日だということで、午前中に「ポトンギギ(成人式)」、午後に葬式、といった進行で執り行われることが多いです。
どちらも準備することの多い盛大な儀式で、バリ人は大忙しです。
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