「共に民主党」は今月18日、党大会を開き、党代表選の結果、代表に李氏を再選出した。代表選は、党員投票の得票や世論調査などの数字を合算して争われ、李氏が85.4%を得て当選した。聯合ニュースによると、同党系列の政党の代表が再選を果たしたのは、1995年から2000年にかけて新政治国民会議の総裁を務めたキム・デジュン(金大中)元大統領以来という。また、今回の李氏の得票率は、これまでの代表選挙の得票率で最も高かった自らの前回の記録(77.77%)を上回った。
李氏は当選後の演説で「政治の最も大きな責務は、まさに国民の暮らしを支え、希望をつくり出すことだ」とした上で、「私たちは今や、各自の立場で国民の生活の責任を負う、より有能な民生政党にならなければならない」と訴えた。
また、李氏は尹大統領とのトップ会談と、与党「国民の力」の韓代表との党首会談を提案。韓氏がこれに応じ、国会でトップ会談を行う見通しとなった。李氏の新型コロナ感染のため、当初計画されていた25日の実施は延期となったが、今後、開かれれば、両氏が議題を設定して行う初めての会談となる。
「国民の力」も先月23日、党大会を開き、党代表に韓氏を選出した。韓氏は昨年12月、同党トップの非常対策委員会の委員長に指名されたが、党が今年4月の総選挙で大敗。韓氏は「民意は常に正しい。国民から選ばれるに足りなかったわが党を代表して国民におわびする」と謝罪し、非常対策委員長を辞任した。
政治の表舞台から退いた韓氏の今後が注目された中、党代表選に立候補し62.8%の得票率を得て圧勝した。
韓氏は代表に選出後の演説で「党員と国民は変化を選んだ。今の私たちは、国民の目線に合わせた政治をしていないと思われている」と指摘。その上で、「国民の気持ちに(敏感に)反応し、(国民の)目線に合わせて変化する姿を見せよう」と呼び掛けた。
現在、韓国国会(定数300)は「共に民主党」の過半数の170議席を握っており、与党は厳しい国政運営を余儀なくされている。円滑な運営には野党の協力が欠かせない。
そんな中、韓氏と李氏による党首会談が開かれる見通しとなり、韓国紙の東亜日報は「与野党とも党内整備を終え、本格的な民心競争に乗り出す今こそ、韓代表と李代表が民生(国民の生活)をテーマに政局を解決していく力量を示す機会だ」と肯定的に伝えた。
会談が開かれれば、野党主導でこのほど可決した、国民1人当たり25万ウォン(約2万7000円)の商品券を支給することを盛り込んだ関連法案などが取り上げられるものとみられている。ちなみに、この法案はユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が先ごろ再議要求権(拒否権)を行使。「共に民主党」は「民生の困難を無視していると国民から非難を受けることになるだろう」と警告している。
前出の東亜日報は、党首会談が開かれる見通しとなったことには肯定的に報じたが、「代表会談の結果に対する見通しが、明るくないのは事実だ」と指摘。その理由の一つとして同紙は、韓氏が国政の一柱として大統領の意思と異なる決定を下す立場にないことを挙げた。会談で扱われる可能性のある議題の中には、前述のように尹大統領が拒否権を行使した、国民への商品券支給に関連する法案などもある。また、韓氏と尹大統領の間には以前から少なからず溝があると指摘されており、同紙は緊張関係にある雰囲気が「与野党の協議にはむしろ障害になりかねない」と指摘した。
その上で同紙は「結局、与野党が政治を復元し、協力の土台を作ることができる対話は、それぞれ政府と国会権力を握った尹大統領と李代表間のトップ会談だろう」とした。4月の総選挙後、両氏の会談が1度開かれたが、李氏は18日に党代表に再選した際、尹大統領との再会談も提案した。
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