アラビア海に面し、天然の入江に恵まれた、ケララ州の港町であるコーチンは、古の時代から貿易港として栄えてきました。
古くは、フェニキア人や古代ローマ人、アラブ人との交易で賑わっていましたが、16世紀以降はヨーロッパ諸国の植民地として支配下におかれるという苦い歴史も背負ってきました。
ポルトガル、オランダ、イギリスなどに支配された時代は長く、その影響で数多くの教会が今日でも町のあちらこちらに見られます。
そのため、北インドとは、また違った雰囲気を醸し出しており、今でも多くのキリスト教徒がいます。
現在のコーチンは、インドの中でも有数の国際的な貿易港を有する産業都市として発展してきていますが、島の西側の半島部分は、歴史的な建物が今でも現存しており、植民地時代の面影を感じることができます。
主な見所は、オランダ統治時代に総督が住んでいたというダッチ・パレス、ユダヤ教会のシナゴーク、インド航路を発見したヴァスコ・ダ・ガマのお墓がある聖フランシス教会など。
また、フォートコーチン地区のビーチでは、昔ながらの手法である、チャイニーズ・フィッシング・ネットによる漁業を見ることができます。
これは、海岸に設置された、大きな網を海中に沈め、それを引き上げて魚を捕まえる方法で、今でも、たくさんの網が設置されています。
新市街地の発展とは対照的に、のんびりとした昔にタイムスリップしたような感覚になる西側の半島では、今でも多くの観光客が当時の雰囲気を楽しんでいます。
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