一口にキリスト教といっても、その内部にはフランチェスコ会やドミニコ会などさまざまな修道会が存在します。

6世紀に創設された聖ベネディクト会もそのひとつで、「祈り働け(Ora et Lavora)」という同修道会のモットーは、ヨーロッパではよく知られています。
聖ベネディクトは妹の聖スコラスティカとともに、まずはスビアコという町に修道院を創設します。
のちに、モンテ・カッシーノに移りここに広大な修道院を立てました。
中世には膨大な書籍を有していた修道院として知られ、文学者ペトラルカなども滞在したことで知られています。




モンテ・カッシーノは、戦略的に見ても要衝といってよい場所に位置していたため、第2次世界大戦中にはナチスに占領され基地となってしまいます。
1944年にアメリカ軍の爆撃を受け、中世以来の建築や貴重な書籍はすべて灰燼に帰してしまいました。
しかし、聖ベネディクト会のシンボルとしての重要性はびくともせず、戦後まもなく修復されて現在は美しい修道院を見ることができるのです。




戦後の建物のため少々趣にかけるところはあるものの、清貧の思想を実践する修道士たちによって今も清廉なたたずまいを有しています。


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