「正月と盆が一度に来たようだ」と、日本ではとても忙しい様子を表現する際に冗談交じりで言いますが、バリ島ではしばしば本当にお正月とお盆が一緒にやってきます。
2023年の新年明けて1月4日が「ガルンガン」、日本で言う迎え盆でした。
「ガルンガン」の日から送り盆「クニンガン」までの2週間、バリ島はお盆です。
お盆の間、地域の子供たちは「バロン」で大忙し。
「バロン」は獅子舞によく似た人形で、バリ島の神話の中には色々な動物の形をしたバロンがいますが、「ガルンガン」で活躍するのは豚の姿の「バロン」です。
その豚の頭の「バロン」舞とお囃子の楽団が、地域の家々の玄関先を訪れ、幸運を祈ってひと踊りするのです。
「バロン」の頭を持って動かす子と胴体を動かす子が、連携して上手に舞を踊ります。
その後ろを、ガムランや太鼓を抱えた子どもたちが歩きます。
トントンポンポンにぎやかなバリ島らしいリズムのお囃子が、村のあちこちで響きます。
楽器は重くて運ぶのに一苦労。
ですが、世界中からの観光客が再び訪れるようになった今年は景気も良いようで、自分たちで工夫して、お手製の専用台車を作って楽器を載せ、ゴロゴロ引きながら練り歩くグループも出てきました。
今回、ここで言う「お正月」は、太陽暦・現在私達が使っている暦(グレゴリオ暦)の新年。
これとは別に、バリヒンズー教にもお正月にあたる「ニュピ」があります。
バリヒンズー教にはウク歴・サカ暦という2つを組み合わせた独自の暦があり、お正月「ニュピ」もお盆「ガルンガン」も、太陽暦とは全く異なる周期でやってきます。
そんなわけで、「ニュピ」と「ガルンガン」が重なることもあります。
ただでさえ祈祷行事が多いバリヒンズー教ですが、こうなると、体力自慢の多いバリ島ローカルたちも、さすがに目が回りそうになっています。
毎日のんびりしているイメージの強い南の島のローカルたちの生活ですが、実際は外から見るほどのんびりとはしていないどころか、毎日かなり大忙しです。
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