ポテ(Potée)は具だくさんなシチューのような煮込み料理の総称です。
可愛らしい響きの名前はこれを作るのに使う土鍋(pot en terre cuite)からきているとか。
伝統的なものの1つにキャベツのシチューがあります。
材料はキャベツ、人参、じゃがいも、ねぎ類に豆類(インゲン豆、小豆)など。
これにソーセージ(フランスのそれはかなり大きい)や脂身のついた豚肉又はハム(スライスでなく大ぶりに切ったもの)といった、地域や家庭により選ばれた肉が存在感のある分量で入っています。

 ここでフランス料理を知っている方ならば「あれ、これはポトフに似ている」と思われるでしょう。
調べてみると、ポテとポトフの違いは 肉の種類にあるようです。
ポテには豚肉、 ポトフには牛肉を使うのだとか。
確かにハム(jambon, jambonneau)やソーセージ(saucisse)も豚肉が原料です。




 さて写真のポテには脂身の少ない豚肉の切り身と少量の白いんげん豆が入っており、お皿に盛り付けてから生クリームを各自好きな量加えて混ぜていただく、というスタイルです。
生クリームを食べる際に加えるのはどうやらロレーヌ地方などの伝統スタイルのようです。
フランスのスーパーの冷蔵コーナーにあるプラスチック容器に入った生クリームは液体ではなくポッテリとしたクリーム状の濃厚なもの。
なのでこれを加えると一気に濃厚なテイストに変身するのです。




 このポテを作った60代後半の婦人は「私の母は料理を作る時、いつも同じレシピを見てきっちりその通りに作っていたのよ。だからポテもいつも同じものが出ていた。多分その反動で私は分量や材料をアレンジして作るのが好きなのかも」と話します。
彼女はその時の気分でソーセージやハムを買ったり、豆の種類を変えたりしてバリエーションを楽しんでいるのだそう。
それもまた家庭の味の良さと言えるのではないでしょうか。


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