上海市の黄浦(こうほ)区検察庁によると、2021年、オーストラリアに留学していた女性A氏は、ネット上で男Bと知り合った。
Bは自身について、カナダのトロント大学に留学していたが新型コロナウイルスの影響で中国に帰国することになり、江西(こうせい)省の自宅でオンライン授業を受けていると説明した。また、父親が会社を経営しており、実家は裕福であると明かしたという。
留学経験があるという共通点でA氏とBは急速に親しくなり、恋愛関係に発展する。その後、Bは「両親が離婚してお小遣いをくれない」、「盲腸で手術するための費用が必要」、「飲酒運転で人の車にぶつけた」など様々な理由をあげ、A氏にお金を要求した。
A氏はBの言葉を信じ、自身の両親がくれた学費用と生活費用のお金35万元(730万円)をBに渡した。同年10月、新学期を控え学費の支払いが必要になったA氏はBに返金を求めたが、Bは様々な理由をつけお金を返さなかった。
2022年10月、A氏が警察に通報したが、Bはすでに行方をくらませていた。
通報から約1年後の2023年8月、Bの身柄が確保される。
警察の取り調べに対しBは、「海外に留学したこともなく、最終学歴は中学卒業。ネット上で語った身分はすべてうそ。父親も早くに亡くなっている」と明かした。「A氏の両親がビジネスをしていると聞き、裕福な家庭だと思った。自分は仕事もしていなくお金がなかったので、A氏から騙し取ろうと考えた」と、容疑を認めた。また、同じ手口で他の女性を騙していたことも自白。
Bは2021年~2023年7月までに、A氏ともう一人の女性から計45万元を騙し取っていた。
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