さて久しぶりにサラダを作ろうと野菜売り場に行くと、自分の定番が決まっていない人は、葉物の種類の多さに決めかねて立ち尽くしてしまうことがあります。
 庶民的な値段で手に入る、例えば名前に「シュウ」(chou)がつくキャベツの仲間だけでも白キャベツ、紫キャベツ、グリーンキャベツ、柔らかキャベツ(chou dou、アトラスキャベツとも)白菜(chou chinois、直訳すると中国キャベツ)、にカリフラワー(chou fleur、直訳は花キャベツ)など。
季節にもよりますが値段も似たりよったり、手軽に買える為なおさら迷うというもの。
ブロッコリはキャベツの仲間だそうですが、名前にはchou はついておらず、フランスでも「ブロッコリ」といいます。




 キャベツ類以外の葉物を見ると、球形のレタス(laitue iceberg)はスーパーではそれほどメイン的存在ではなく、球形に丸まっていないバタビア(Batavia)や両手にすっぽり収まるサイズのスュクリンヌ (Sucrine)、アンティーブ等の方が目立っています。




 さて写真の葉物はローマ・サラダ(Salade romaine)。お店によってローマ・レタスとも。
この表示からも分かるように、フランス語で「サラダ」(Salade)の言葉の定義は、お皿に盛ってドレッシングをかけて食べる料理名の他に、サラダにして食べるレタスのような葉物の植物の事自体も指すのです。




 ところでフランス語で「Raconter des salades 」(直訳「でサラダを語る」)という表現があります。
「あの人はいい加減なこと言ってるよ」という具合に、嘘や誤った情報を言う人に対して使います。
この表現の起源には通常サラダを作る時、数種類の食材を混ぜて作ることから、情報を混ぜ合わせてお話を作り上げるといったニュアンスがあるようです。

 美味しいサラダは素材一つ一つの味、そして季節感が楽しめます。
この表現が生まれたとされるのは19世紀。
現代の健康・ビオブームはサラダの地位を向上させ、新たな表現を生むでしょうか?


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