ブルゴーニュの街を歩いていると時折見かけられるモザイク模様のカラフルな屋根。
個人宅や博物館等異なる建物のそれは道行く人を楽しませてくれる観光スポットになっています。

 このカラフルな瓦は時代によって異なる素材で造られていますが、素焼きの瓦の1枚1枚を錫や鉛などを混ぜたガラス質の素材でカバーしている為、手がかかっているのです。
従って建設当時は費用も通常の素焼きの物より4倍から7倍ほどかかりました。
つまりはこのような、陽のあたり具合でキラキラと美しく反射する屋根の建物は豊かな費用を払える人の所有だったということなのです。

 ところでディジョンから電車で20分余り南に行った街ボーヌにある観光スポット、オテル・ディウの屋根にはもう1つ特色が加わっています。
一般道側の屋根瓦は黒に近いグレー色ですが、入場料を払い四角い中庭に入って見上げると、四方を鮮やかなモザイク屋根に囲まれている風景が見られるという作りになっているのです。
オテル・ディウは教会が経営する病院として15世紀にできました。
1971年まで病院として機能していた期間、そのリッチで鮮やかな風景は看護する修道女や患者さんのみの為にあったということになります。

 過去に造られた様々な色と異なる製造方法の屋根瓦のコレクションはブルゴーニュ北部の街オーセール(Auxerre : オクセールと発音されることも)にある中世研究センターに保管されています。

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