印象派の絵、アルセーヌ・ルパン、ノルマンディの上陸・・・。
ノルマンディの海岸の風景は様々な顔を持っています。
そして時が経ち、持続可能なエネルギーを、との声が高まってから、その風景に大きな変化がありました。
それは沖の方や陸地にも並ぶ白い風車です。




写真の海はフェカンの岬からのもので、洋上風車の運営サイト(Parc éolien en mer Manche Normandie, Parc éolien en mer de Fécamp)の数字によると、ノルマンディの海岸から一番近い所で12kmの距離から71基の風車が整然と並んでおり、約77万世帯の電気消費を担っているのだとか。
海岸から見ると陽炎のようにうっすらと浮かんでいる感じですが、船で現場を訪れる風車の見学ツアーに参加した人の中には、近くでみた際の大きさと迫力に驚く声も。
2024年から稼働しているフェカンの風車に続き、カルバドスとディエップでも洋上の風力発電システムが稼働を始めるそうです。




ただただ青い海と船が漂っていたノルマンディの海の風景に変化が起きたことに寂しさを感じる人もいるでしょう。
漁業を営む人たちとの話し合いも重ねられたに違いありません。
フェカンの岬には世界大戦時に侵攻していたドイツ軍が残した建造物が今も草原の中に残っています。
そんなコンクリートの塊の向こうに見える風車は対照的に見えると同時に、ノルマンディの地も時代の波に容赦なく押され、留まっているわけにはいかないのだと思わせる風景です。


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