
人口約1万8千人のノルマンディーの町フェカン(Fécamp)。
「ガレ」という丸石が広がる海岸に出て、緩やかにカーブを描く海岸線や水平線に目を向ければ、誰もがしばらくは何も言わずに佇んでいたくなります。

このフェカンの静かな眺めをさらに堪能したいなら、パノラマスポットのある岬を目指しましょう。
その岬はカップ・ファニエ(Cap Fagnet)といい、海抜110mの高さにあります。
カップ・ファニエからさらに少し登るとノートルダム・デュ・ サリュ教会がフェカンの港を見下ろしています。

このパノラマスポットへのルートには2つの選択肢があります。
1つは舗装された道路を緩やかに登っていくチョイス。
そしてもう1つが自然道が残り、少しだけ急な坂を伴う「ガロ ・ロマンの道」を辿るチョイスです。
後者の道を行くと、距離にしてほんの数百メートルの間は山の中のように木々に覆われた道が伸び、気持ちを落ち着かせてくれます。

このガロ・ロマンの道を選ぶなら雨の日は避け、ウォーキングシューズの準備が必須です。
とはいえフェカンの中心街からもそれほど離れていないので、途中の眺めも楽しみながら少し息がはずむ程度の散歩コースです。

ちなみに2025年の夏現在、地滑りがあった関係で、岬手前の舗装道路は車両通行止めになっています。
また外観がよく手入れされたノートルダム・デュ・サリュ教会は修復を待ち、建物の中に入ることはできません。
ノルマンディーの港町の風景をただただ堪能するもよし、この地に定住したバイキングや、対岸のイギリスに目を凝らしていたドイツ軍を想像するもよし。
風で草むらがさわさわとする音だけが聞こえるフェカンのパノラマスポットは、静けさの中に様々な歴史の場面を想起させてくれます。

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