エクアドルでの交通機関はバスやタクシーが主流で電車はほとんど使われていません。
1861年に鉄道網を作る計画がスタートしたものの、全域が完成するまでに計画は頓挫してしまい、完成したところですらあまり使われることなく衰退していったのです。

そんな中、エクアドルの中央よりやや南に位置するアラウシ(Alausi)という小さな町から出発する列車だけは、今でも多くの観光客を乗せ運行しています。
観光客のお目当ては、スペイン語で悪魔の鼻を意味するNariz del Diabloです。

アラウシ駅を出ると列車はひたすらのどかな風景の中を進み、車窓からは美しい山並みや滝、川が見えます。




そして列車はこの鉄道の特徴でもあるスイッチバックをしながら12キロの間に500メートル下に降って行くのです。
窓の外にはこれから通る線路が真下に見え、その山の傾斜は思わず尻込みしてしまうような角度です。
駅を出発して1時間ほどで悪魔の鼻を見渡せる場所に到着します。その写真がこちらです。




悪魔の鼻とはこのトンがった山の事なのです。
名前の由来には諸説ありますが、この鉄道の建設中には3000人のジャマイカ人と1000人のプエルトリコ人が労働力として狩り出され、うち2000人もの人が建設中に亡くなるという悲劇がありました。そんな過酷な作業現場を揶揄して現場監督がその山を「悪魔の鼻」と呼んだからと言われています。

観光用の列車はとても綺麗でエクアドルで乗った乗り物の中で一番快適でした。



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