サッカー男子のパリ五輪最終予選の準々決勝で、国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位の韓国は、同134位のインドネシアと対戦。前半は2-1でインドネシアのリードで折り返した。韓国は後半39分に同点に追いつき試合は延長戦へ。互いに5人が連続で成功して迎えた6人目で韓国が失敗したがインドネシアも外した。その後は両チームとも決め続け、韓国は12人目が失敗し、インドネシアは成功。韓国の敗戦が決まり、パリ五輪の出場権獲得を逃した。韓国は自国開催の1988年のソウル大会から前回の東京大会まで9大会連続で出場していたが、10大会連続の出場はならなかった。
韓国メディアは驚きを持って伝えており、スポーツソウルは「ドーハでの衝撃的な敗北によって、栄光の足跡が絶たれることになった」と伝えた。大韓サッカー協会は公式サイトに「U-23アジア準々決勝で敗れ、パリ五輪の本大会に進めなかったことについて、ファン、選手、そして国民の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪声明を掲載した。
韓国は、パリ五輪の出場をかけてこれまで行われてきた球技種目の予選で軒並み苦戦した。前回、2021年の東京五輪では、韓国は男子サッカー、女子ハンドボール、女子バスケットボール、女子バレーボール、男子ラグビー、野球の6つの団体球技に出場した。しかし、パリ大会にはホッケーやバスケットボール、バレーボールは男女とも出場権を逃し、団体球技種目14種目のうち、韓国が出場するのは、1984年ロサンゼルス大会から11大会連続のハンドボール女子のみだ。スポーツソウルは「コリン・ベル監督率いる女子サッカーもアジア2次予選でグループ2位となり、脱落の苦杯をなめた。そこに、ファン・ソンホン監督率いる男子サッカーも加わり、メジャー球技種目がほぼ全滅することになった」と伝えた。
朝鮮日報は「頼りにしていたサッカー男子代表の五輪出場がなくなったため、7月26日に開幕するパリ五輪に出場できる韓国代表選手たちは約150人となる見通しだ」と報じた。この規模は、1976年のモントリオール大会で50人が出場して以降、最少だ。これは、前述した球技種目の不振が影響している。
また、朝鮮日報は「規模縮小だけでなく、メダルの見通しも暗い」と指摘した。前回の東京大会で韓国は成績が振るわず金メダル獲得数は6個。総合順位は16位で、1976年のモントリオール大会(19位)以降、最も低かった。同紙は「パリ五輪では金メダルは5~6個狙えるとされているが、順位は20位圏外まで落ち込む可能性がある」と懸念した。ソウル大学教育学部体育教育科のキム・ギハン教授は同紙の取材に「今後も競技力が低下し続けるならば、どの部分がきちんと作動していないのかを綿密に点検する必要がある」と指摘した。
一方、日本は団体球技の出場権争いで、全7競技が男女いずれかで五輪切符を獲得した。開催国枠がない海外の五輪で、日本が全団体球技を網羅するのは、1932年のロス五輪以来、92年ぶりとなる。
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