パリの9区、メトロの12番線トリニテ(Trinité)駅で降りて徒歩数分。
静かな界隈に佇むギュスターヴ・モロー美術館。
モロー氏自身の住居兼アトリエだった美術館の床面積は それほど広いというわけではありません。
ですが館内の壁には 高い天井に届くまで所せましという数の絵画がひしめいています。
さらに部屋の一角の壁には無数の鉛筆画が収納されており、額のようなケースをめくりながら閲覧できるようになっているのです。
美術館が保有する作品の総数は約14,000点。
全てが展示されているわけではないでしょうが、よほど体力があって半日ぐらいいられる人以外はある程度数を絞ってみる必要があります。
そこでギュスターヴ・モロー についてそれほど詳しくないけれど、絵を楽しみたいという方におすすめなのは、自分の中で観るテーマを決めること。
例えば神話など空想的な絵や、動物が描かれている絵を見つけよう、といった具合です。
フロアの中心には代表的な作品の解説カードが、日本語も含めた複数語で手に取って読めます。
そしてモロー美術館の大きな魅力の1つはなんといっても美しい螺旋階段。
誰が撮っても大体きれいな写真が撮れるのが嬉しい限り。
この芸術的な階段が3階から4階へのアクセスとして普通に上り降りできるのも気分があがります。
さて現在美術館となっているこの建物は建築家だったギュスターヴ・モローの父親ルイが、モロー名義で購入したものです。
購入の翌年1853年に引っ越してくると、ルイは建物の4階を息子ギュスターヴのアトリエ部屋にする改装をしました。
ギュスターヴ少年もこの素敵な螺旋階段を上がりながら、絵を描くモードに気持ちを切り替えていたのかもしれません。
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