スペインに滞在していると、人々の生活に宗教が深く関連していることが分かります。今回はそんなスペインの宗教についてご紹介します。
スペインでは、キリスト教のカトリックが多数を占めており、スペイン政府によると国内宗教施設のうちカトリック礼拝堂の割合が約70%、残りの30%のうち約58%がキリスト教プロテスタント、22%がイスラム教となっています。
スペインは700年頃から約800年もの間、イスラム支配下にありました。1500年頃に、再びキリスト教がスペインを支配するようになりましたが、それでもイスラム文化の名残がそこかしこに見られます。特にスペイン南部のアンダルシア地方はイスラム文化の影響を強く受けた地域であり、宗教施設でもグラナダの「アルハンブラ宮殿」、セビリアの「セビリア大聖堂」、コルドバの「メスキータ」など、キリスト教とイスラム教が混在した建築様式の歴史的建造物が残っています。
現在、スペインでは信仰の自由が認められており、カトリックで伝統的に行なわれる行事や離婚が認められていない宗教婚は行わない家庭も増えています。
とはいえ、人々の生活にはカトリックが深く関わっています。スペイン人の名前はカトリックの聖人の名前から付けられることが多く、国民の祝日の多くは宗教関連で、カトリックで重要とされている復活祭やクリスマスは盛大に祝われます。
また、定期的に教会のミサに参加する人は若い世代を中心に減少しているとはいえ、家庭の寝室にはイエス・キリストや十字架が飾られていることが珍しくありません。
日本では、スペインというと闘牛、フラメンコ、スペイン料理などをイメージする人が多いと思いますが、スペインの宗教観を知っておくと、スペインを訪れた際にもまた違った目線で各地の観光地を楽しむことができるかもしれません。
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