バンテアイ・スレイは、アンコール遺跡の一つで、ヒンドゥー教の寺院遺跡です。アンコール・ワットの北東部に位置し、シェムリアップから約40㎞離れた場所にあります。
967年、ラージェンドラヴァルマン王が臨席する下で着工式が行われ、息子のジャヤーヴァルマン5世の代に完成しました。アンコール朝の衰退に伴い忘れ去られていましたが、1914年に再発見された寺院です。
「女の砦」の意味を持つこの寺院の祠堂の壁面にあるデヴァター(女神)像は、フランスの作家アンドレ・マルローがその美しさに魅せられ、国外に持ち出そうとして逮捕されたといういわく付きのもので、その女神は「東洋のモナリザ」と呼ばれています。
東門をくぐり、左右にリンガ(シヴァ神の象徴)が並んだ参道を進み、第三周壁の塔門に入ると、中には刻まれた碑文が見られます。
こちらの寺院は門や建造物の上に彫られたレリーフが素晴らしいです。
こちらはインドの伝説「ラーマーヤナ」に出てくる魔王ラーヴァナがシータ姫を誘拐する逸話を表したレリーフです。誘拐から姫を守ろうとし、兵士たちが魔王ラーヴァナに立ち向かっているところが彫られています。
レリーフにはヒンドゥー教の神話が、精密かつ立体的に彫られており、南経蔵のレリーフでは、下段に世界を揺らす悪魔と逃げ惑う動物が、上段に神とその妻が彫られています。
こちらは「踊るシヴァ神」のレリーフです。
シヴァ神が踊ると、全てのものが破壊できるといわれています。
バンテアイ・スレイのデヴァターは赤色砂岩とラテライトで建てられた建物に彫られており、大変彫りが深く、保存状態が良いです。
祠堂の周りの壁には、たくさんのデバターが彫られ、また、デバターとデバターの間にはヒンズー寺院らしい模様が彫られています。
バンテアイ・スレイには朝早く来ると良いと言われています。それは太陽の向きや太陽光線の強さから言われていることです。
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