世界各国で環境に配慮した開発が進む中、フランスの市町村でも工夫が施されています。
そして道路や公共スペースの整備工事の際に実現した工夫は市町村にとって良いPR材料にもなり得るでしょう。
でも全ての市民を満足させるというのは難しいようです。

ブルゴーニュのディジョン市では排気ガスを減らす目的で、市を東西と南北に走るルートのトラムを2012年に開設しました。
この際トラム専用レールが道路の中央にできたため、一部の一般車両道路が2車線から1車線になりました。




それからブドウ畑の景観が2015年にユネスコの世界遺産に登録される機会には、200メートル余りある街のメインストリート上を走っていた複数の市内バス全てのルートを他へ変更しました。
このメインストリートは一般車両も通行禁止になったことで、歩行者天国に変わったのです。
人と車両の過密や喧噪のストレス問題が解消され、歩行者の評判は上々のよう。

しかしこの数年、更に数カ所の道路で都市整備工事を終えると、車を使う人たちからは不満の声が。
というのも工事のコンセプトは「歩行者や自転車の人たちに優しい街」。
こうして更にいくつかの場所で道路幅が狭くなった結果、バス停留所の歩道幅が広がる、両方向から一方通行に、又は2車線が1車線にと変わったのです。

道路だったスペースにはベンチや植物が置かれ、憩いのスポットとなりました。
その結果中心部で新たな渋滞が生まれることに。
道幅を狭くすることで車両の通行キャパシティを減らし、車の交通量を少なくしようという意図があるのでしょう。

今後もしかしたら車通勤を諦める人が出てくるかもしれませんが、新ルートマップに慣れるまでしばらくは多少の混乱状態が続きそうです。
環境に敏感な街として評価を受けていることに誇りを持てる反面、通勤手段を変えなければならない人や、「体力的に車なら外出できる」というお年寄りにはちょっと同情も覚えそうな・・・。
みんなに住みやすい街づくりはこれからも展開が続きそうです。


Copyright(C) wowneta.jp