木造建築が大半を占める日本と違い、イタリアの歴史的な建物は石を積み上げて作られています。
そのため、人が住まなくなってしまった後も、廃墟として残る可能性が高いのです。
ローマから北西に50キロほどのところにあるモンテラーノもそのひとつ。
訪れる人も少ないこの廃墟、もちろん入場料は発生しません。
夏ともなれば、イタリア人はみな海に向かってしまうため、山奥の廃墟を訪れる酔狂な家族は私たちだけでした。
道端に生える黒いちごを摘みながら、パニーノをもってピクニックができます。
もちろん、夏の日差しはきついのですが、木々に囲まれているうえ残る建物内は涼しい風が吹き抜けていきます。
19世紀を迎えるころ、町はマラリアなどの伝染病やフランス兵の侵入で衰退してしまったそうです。
それ以前は、ラツィオ州北部で覇権を握っていたローマの大貴族オルシーニ家の領土でした。
そのため、若き日のベルニーニがこの町の城塞の改築を請け負ったという輝かしい歴史まであります。
今でも目にすることができる水道橋、城塞後、教会の廃墟などなど、廃墟マニアならずとも訪れると当然としてしまいます。
実際、レディホークをはじめとする数々の映画が、モンテラーノで撮影されています。
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